♪智代編外伝「もうひとつの世界 - りえ編」
- 朋也
- 「俺とりえが付き合い始めて一ヶ月……」
- 仁科
- 「は?」
- 朋也
- 「これといったきっかけがあったわけではない」
- 仁科
- 「あの~……岡崎さん?」
- 朋也
- 「遅刻して、授業サボって、町をぶらつく……そんな毎日の中、りえと知り合い、いつの間にか親しくなり、気がついたら恋人同士になっていた」
- 仁科
- 「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」
- 朋也
- 「なんだ? りえ」
- りえ
- 「り、りえ、って……わっ、名前欄まで変わってるしっ」
- 朋也
- 「そりゃそうだ。なんたって俺たちは恋人同士なんだからな」
- りえ
- 「え……ええええええぇぇーーーーっ!?」
- 朋也
- 「りえは相変わらずいい声してるな。だが、なぜ驚く」
- りえ
- 「そりゃ驚きますよ、記憶にないんですから。一体いつの間にそんな設定になったんですか」
- 朋也
- 「過去なんてどうでもいいじゃないか。要は結果だ」
- りえ
- 「むちゃくちゃ言ってますね」
- 朋也
- 「とにかくっ、俺とおまえは恋人同士なんだ。つーわけで抱きしめていいか」
- りえ
- 「展開が早すぎてついていけません。それと、手をわきわきさせないでください」
- 朋也
- 「はっはっは、りえはツッコミ上手だなぁ。ますます抱きしめたいぞ」
- りえ
- 「岡崎さん、キャラが違いすぎます」
- 朋也
- 「これが本当の俺だ。おまえを抱きしめて髪の匂いを嗅ぎたい」
- りえ
- 「匂いフェチですか」
- 朋也
- 「そうだ」
- りえ
- 「認めちゃったよ、この人!」
- 朋也
- 「そんなわけだから……いざ、いざ!」
- りえ
- 「わ、わっ、わわっ」
- 朋也
- 「なぜ逃げる」
- りえ
- 「そりゃ嫌ですよ、もうっ」
- 朋也
- 「だが、欲望を解放した今の俺からは逃げられん」
- りえ
- 「格好つけて言うセリフじゃないですよ、それ」
- 朋也
- 「ええい! いちいち茶々入れなくていいから、観念して俺に抱かれろ、りえッ!」
- りえ
- 「その表現だとますます嫌です!」
- 朋也
- 「そして全身の匂いを嗅がせてくれ!」
- りえ
- 「いやあぁぁーっ! 変態だあっ!」
- 声
- 「天誅ぅーーーーッ!」
- 朋也
- 「ぐはっ」
- りえ
- 「うわぁ……」
- 杉坂
- 「大丈夫? りえちゃん」
- 仁科
- 「う、うん。大丈夫……というか、大丈夫じゃないのは岡崎さんのほうだと思う」
- 杉坂
- 「りえちゃんの魅力に狂った者の末路か……憐れね」
- 仁科
- 「嫌な言い方しないでよ……」
- 杉坂
- 「さっ、もう行きましょ」
- 仁科
- 「え……でも岡崎さんが……」
- 杉坂
- 「大丈夫だって。峰打ち峰打ち」
- 仁科
- 「岡崎さん……」
- 杉坂
- 「ま、まさかりえちゃん……まんざらでもなかったんじゃ……」
- 仁科
- 「えっ? あ、あはは……ちょっとどきどきしちゃった」
- 杉坂
- 「くそぉーーーっ! 羨まし……もとい、悔し……もとい、口惜し……もとい、ぐあああああwせdrftgyふじこlp;@:「」
- 朋也
- 「う……」
- 声
- 「……おい」
- 朋也
- 「うう……」
- 声
- 「……大丈夫かっ」
- 朋也
- 「んん……」
- 声
- 「おい、起きろよ。岡崎っ!」
- 朋也
- 「……ん?」
- 春原
- 「やっと気づいたか……。どうしたんだよ、こんなところで倒れて……」
- 朋也
- 「ああ、思い出したよ」
- 春原
- 「へ? 何をだよ」
- 朋也
- 「俺と陽平が付き合い始めて一ヶ月……」
- 春原
- 「はあっ!?」
- 朋也
- 「これといったきっかけがあったわけではない」
- 春原
- 「お、おい……」
- 朋也
- 「遅刻して、授業サボって、町をぶらつく……そんな毎日の中、陽平と知り合い、いつの間にか親しくなり、気がついたら恋人同士になっていた」
- 春原
- 「ちょ、ちょっと待て岡崎っ!」
- 朋也
- 「なんだ? 陽平」
- 陽平
- 「よ、陽平、って……な、なんか嫌な予感するんですけど……」
- 陽平
- 「ひいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーっ……」