「ヘンな人に見つかってしまいましたっ」
「二回も言うな」
「それだけ衝撃的だった、ということです」
俺の背後に潜伏していたらしい風子が、姿を見せるなりそう言った。
「なんでもいいが、いい加減ヘンな人と呼ぶのはやめろ」
「ヘンじゃなくなったら、そうすることにします」
「だったら俺もおまえをヘンな人と呼ぶからな」
「風子、ヘンな人じゃないです。どちらかというと、ごく一般的な女子高校生です」
……。
風子の姿を見下ろす。
一般的かどうかはともかく、高校生にはとても見えない。
「あっ、ヘンな岡崎さん、今とても失礼なこと考えてましたっ」
なかなか鋭い。
俺の名前を思い出したのか、「ヘンな岡崎さん」になっていた。どっちにしろ、頭に「ヘンな」がついているのだが。
#4「The Return of Windia」
「なぁ古河、もしかしてこいつ、俺の背中につかまってたのか?」
「あ、はい。おんぶしているように見えたんですけど……。包帯もしてましたし、保健室に連れていくのかな、と思いまして」
「違う……。こいつが勝手にぶら下がってたんだ」
間違いない。足取りが重くなったのはこいつが背中にぶら下がってきたからだ。
それに、何かが背中にのしかかったような重みを感じたのも気のせいじゃなかった。本当にこいつがのしかかってきたんだ。
気づかない俺もどうかしてるが、いったい何のつもりで俺にくっついていたのか……。
「おまえっ、なんで俺の背中に張りついてたんだよっ」
「風子に同じ技は二度も通用しません。学校にクマがいるはずないです」
ぷいとそっぽを向く。相変わらずわけがわからない。
「それで……俺に何か用でもあるのか」
「はい。ヘンな岡崎さんには一番最初にあげたのですが……」
そう言って風子は懐から星形の彫り物を取り出した。
「まだまだ数が足りないので二つあげるわけにはいきませんが、せめて抱かせてあげようと思って持ってきました」
「いや、別にいらないから」
「ショックですっ。というかヘンな岡崎さんは嘘つきですっ」
「なんでだよ……」
「ヘンな岡崎さん、さっき会った時、風子のほうを物欲しそうな目で見ていました。きっとあまりに可愛いこれが、ヘンな岡崎さんのコレクター魂に火をつけてしまったに違いありません」
どうでもいいが、いちいち「ヘンな」をつけられるとなんか腹が立つな。
「んなものコレクションしてどうすんだよ……」
「もう、床に並べたりしたらとても素敵ですっ。想像してみてくださいっ」
「…………」
……おまえが想像するのか。
風子はほわーんとした顔で何やら夢想している。完全に別世界へと旅立たれたようだ。
「急にどうしたんでしょうか」
「こうなると長いんだよな、こいつ……」
「長いって何がですか?」
「見ての通りだよ。どれだけ待たされることか……」
これまでも再三に渡って注意してきたが、ぼーっとする癖は相変わらずのようだ。
そもそも本人に自覚がないんだからどうしようもない。
……。
そういや、前は失敗したんだったな。
よし、今度こそ成功させてやろう。
「ちょっと待ってろな」
「え? あ、はい」
古河と夢想したままの風子を残して、俺は急いで学食へ向かった。
***
学食へ向かう途中、見慣れた黄色い後頭部を見つける。
「……おい」
俺が近寄って声をかけると同時に……というか声をかけるよりも早かったかもしれない。気配を感じ取ったのか、妖怪じみた反応速度だ。
春原はぶんっ!と空気を切る勢いで振り返り……
「冒険しようぜ!」
そうのたまった。
「って、なんだ岡崎かよ」
「それはこっちのセリフだ。何やってんだ」
「おまえがいつまで経っても帰ってこないから、僕も仲間を集めることにしたのさっ」
そういえば、まだ俺もおまじないで仲間集めの最中だった。
春原は俺の後ろに誰もいないことを確認して得意顔で言った。
「そうして正解だったみたいだね。まぁ僕に任せておけば大丈夫さっ」
ぐっ、と親指を立ててみせる。
「そう言ってる割には誰も仲間になってないようだが」
「始めたばかりだからねっ。僕たちの冒険はまだこれからさっ!」
「めちゃくちゃ元気だな、おまえ」
「我がパーティーが結成される日だからね。そりゃ燃えるさっ」
「まだ炎上してたんだな」
「おうっ、エンジョウしてるぜ!」
いくらなんでも間違えすぎだろ。
「まっ、諦めきれずに校内を何周もしちゃう気持ちはわかるけど、あとは僕に任せておけって」
春原はまるでスキップでも始めそうな軽い歩調で廊下の角に消えていった。
…………。
おっと、哀れみの目で見送っている場合ではない。俺はダッシュで学食に向かった。
放課後になってだいぶ時間が経っているからか、学食内に生徒の姿はまばらだった。
さっそく自販機で紙パックのフルーツジュースを買う。
よし、あとはこれを……
「朋也ーっ!」
急いで戻ろうとした俺の耳に聞き慣れた声が入ってくる。
俺の名前を大声で呼ぶような奴はこの学校にひとりしかいない。
声のした方へ目を向けると、窓際の席にふたつ同じような顔が並んで座っていた。
ひとりは俺と目が合うと飛び上がるように立ち上がってぺこりと会釈をし、もうひとりは座ったまま笑顔で手招きしている。
その笑顔の恐ろしさをよく知っている俺は、くるりと踵を返してその場を立ち去……ろうとした。
「!」
その瞬間、震えあがるほどの殺気が俺の背を射抜く。
俺は即座にくるりと振り返った。端から見るとその場で一回転しただけの間抜けな行動だった。
殺気を感じた方向には相変わらずの笑顔。一見何も変わっていないようだが……
その手にはどこから取り出したのか分厚い辞書が装備されていた。
少しでも振り返るのが遅ければ、その豪腕から放たれた辞書が後頭部に突き刺さっていただろう。
俺は身震いすると、観念して窓際の席に寄っていった。
「何か用かよ……俺は今忙しいんだ」
「ジュース買っておいて忙しいとかよく言えるわね……」
杏は俺が手に持った紙パックへと目をやる。
「あ、もしかしてパシらされてんの?」
「ちげーよ」
「だったらなんで逃げようとしたのよ」
おまえに関わるとロクなことがないからだ。
……などとは、口が裂けても言えない。
「とにかく、その物騒なもんをしまってくれ」
「ん? あー忘れてたわ」
杏は振り上げたままだった武器をようやく収めた。あんな重い物を片手でずっと持ち上げていて、しかもそれを忘れていること自体が普通ではない。
「で、何の用だよ」
「あんたねぇ……椋が呼んでんのに無視して教室出てったでしょ」
「ん? あぁ、藤林だったのか。一回振り返ったぞ」
「え、そうなの? って、だったらちゃんと気づきなさいよ!」
「無理言うな。それに放っておいたら春原がひとりで炎上するところだったんだぞ」
「陽平が? そりゃ燃えやすそうな頭してるけど……」
「今も炎上中なんだ。早く消しに行かないと灰になっちまうだろ」
紙パックを軽く振ってみせる。
「お、お姉ちゃん、大変だよっ。早く助けないと……」
「紙パックのジュースで消火する馬鹿がどこにいるのよっ! 適当なこと言ってごまかしてるだけよ」
素直な妹と違い、鬼姉に俺の嘘は通用しなかった。さすがに付き合いも長いからな。
とにかくさっさと退散するとしよう。
「じゃ、俺は急いでるから」
「ちょっと待ちなさい」
「なんだよ……。用件があるなら早く言ってくれ」
杏は藤林の両肩に手をあてて俺の前へ押し出す。
「ほら、椋っ」
「で、でも急いでるみたいだし、明日でも……」
「なに言ってんのっ、こいつ絶対忘れてるわよっ! それで苦労するのあたしたちなんだからねっ」
「なんでもいいが急いでるんだ。手短に頼む」
「は、はい。えっと……この前渡したプリント、明日までに提出なので……」
「わかった。じゃあな」
俺は話半分で学食を飛び出した。
杏が何やら怒声をあげていたが、辞書が飛んでくる気配はなかった。
さすがに時間がかかりすぎたか……。もう風子は長い旅から帰還しているかもしれない。
俺は旧校舎へと急いだ。
***
全速力で旧校舎に戻ってくる。
幸い風子はまだ妄想の世界を旅したままだった。
「おかえりなさい、岡崎さん。わ、汗びっしょりです」
「ああ……走ってきたからな……」
「廊下を走るのは良くないと思いますけど、何か大変なことでもありましたか」
「まぁな」
息を整えながらジュースのパックにストローを差すと、その先端を風子の鼻の穴に差し込む。
前回はここで勢いよく突っ込みすぎて失敗したからな。慎重に作業を進める。
「あの……何してるんでしょうか……」
手元が狂わないよう集中して、さらに深く進入させる。古河が何か言っていたが聞いていなかった。
よし、準備は整った……いくぞ……。
「はっ!」
気合もろとも紙パックの腹を押し込んだ。
ちゅうっ!
「んんーっ!」
風子が我に返る。
俺は素早く飛び退き、距離を置いた。
「また、なんか鼻がヘンでしたっ」
「ちんっ、ちんっ」
前と同じく必死に鼻をかんでいる。
鼻をかみ終えると、呟くように口を開いた。
「んーっ、むずがゆいですが、何も出てこないです」
そして、なぜかこちらを向いて報告するように言った。
「そして、なぜか喉が潤っています」
……やった……
……ついに飲ませた……!
『鼻からジュースを飲ませる』を極めた!
「岡崎さんっ、そんなことしたら可哀想ですっ」
「いや、これはこいつのためにやってることなんだ」
「そうなんですか?」
「ああ。ぼーっとする癖を直してやろうと思ってな」
「ですから、何度も言いますが、風子、ぼーっとしてないです。どちらかというと、しゃきっとして……」
言葉の途中で突然、風子が固まった。
「!」
直後、驚愕の表情を浮かべて小走りで廊下の隅へ移動する。
壁に背中をはめると、口をぱくぱくさせて何やら俺たちに訴えかけている。金魚みたいな奴だな。
風子はしばらく口をぱくぱくさせていたが、やがてそれも止まり、ゆっくりとその場にしゃがみ込んで床に手を突いた。
そしてこれまたゆっくりと……まるでスローモーションでも見ているような緩慢な動きで、仰向けになって廊下に倒れ込んだ。
「ああっ、大丈夫ですかっ」
突然倒れた……と言うより寝転んだ風子に古河が駆け寄る。
風子の傍らに膝をついて、仰向けに倒れている風子の頭を自分の膝の上に載せた。
俺もそばまで寄っていってしゃがみ込み、古河の膝の上でぐっと目をつぶっている風子に話しかける。
「おまえ、何やってんの」
「しーっ。話しかけないでくださいっ」
「どうして」
「クマです。立って喋ってると襲われますっ」
クマ?
振り返ると、目の前に茶色い毛むくじゃらの顔があった。
「うおっ」
思わず声をあげて立ち上がる。
よく見ると、クマの頭らしきものは見知った女生徒の両手に抱きかかえられていた。
「なんだ……誰かと思えば岡崎じゃないか。こんなところで何をしているんだ?」
「おまえのほうこそ、なんだそれは?」
「これか? どうだ、可愛いだろう」
智代がクマの頭を眼前に持ち上げてみせる。
その姿はクマの首をもぎ取って抱え持っているようで不気味だった。
「こえぇ……」
「怖くないっ、可愛いんだ。女の子はこういうのが好きなんだぞ。おまえも可愛いと思うだろう?」
やけに「女の子」というところを強調している。まぁ春原の馬鹿が男と疑ったせいもあるかもしれないが。
智代は同じ女の子である古河に同意を求めた。
「はい。クマさん、とても可愛いと思います」
「うん、やっぱり女の子だな。……ん? おまえは……」
「あっ」
互いの顔を見て何か気づいたのか、ふたり揃って声をあげる。
古河が風子を膝に載せたまま、ぺこりと頭を下げた。
「先日はありがとうございました」
「いや、礼を言われるようなことはしていない。性分だからな。これからは遅刻しないように気をつけてくれ」
「はいっ」
「おまえら、知り合いだったのな」
「あ、はい……。その……実は……」
…………。
古河の話だと、あの坂の下でまた立ち止まっていた古河をその場に居合わせた智代が手を引っ張って登校したらしい。
「おまえ、また立ち止まってたのか」
「はい……岡崎さんに言われて、ひとりでもがんばろうって……思ったんですけど……」
いつだっただろう……俺が古河と一緒にあの坂を登ったのは。
つい最近という事実に気づいて、あらためて不思議に思う。
あの坂の下で古河と出会ってからまだ二週間しか経ってないのか……。
なぜか、ひどく昔のことのように思えた。
「事情はよくわからないが、今週はずっと遅刻せずに登校しているはずだ。そうだろ?」
俺がずっと黙りこくっていたからか、智代が口を挟んだ。
「はい、おふたりのおかげです」
「私は何もしていない。おまえが頑張ったからだ」
「そうだぞ。それに俺を遅刻させなかったのはおまえじゃないか」
俺が古河に出会った最後の朝。何を間違えたのか、始業時間に十分間に合うほど朝早く起きてしまった日だ。
その日は古河のほうが俺の背を押して坂を登った。
「だからな、自信を持て」
「岡崎もなかなかいいこと言うな。自信を持つのは大切なことだぞ」
智代も俺に続いた。
「はいっ、ありがとうございますっ」
古河が笑う。
俺が今まで見た中でも一番の笑顔だった。
「そういえば岡崎……」
クマの頭を持ち直しながら、智代がふと思い出したように言った。
「聞いた話だと、おまえと……春原だったか? あの男も遅刻が多いそうだな」
「可愛いクマだな」
「ん? ああ、やっぱりおまえもそう思うか。可愛いだろう」
まずい方向に話が進みそうだったのでごまかしておく。
「なんでそんなもんを持ち歩いてるんだ?」
「ああ……処分するとか言い出すもんだから引き取ってきた」
何に使われていたのか知らないが、クマの頭はそんなに汚れているようには見えない。
よく見ると頭の中は空洞になっていて、胴体の着ぐるみが入っているようだ。
「そんなでかい着ぐるみどうするんだよ……。おまえん家に持って帰るのか?」
「いや、とりあえず資料室にでも置かせてもらおうと思っている。それから使ってくれる部を探すつもりだ」
クマの着ぐるみを使う部なんてあるのか?
古河の横顔に目が行く。
……演劇部なら使うかもな。
じっと横顔を見つめていると、古河の小さな口が開いた。
「あの……とても重そうです。そのクマさん」
「ああ、結構重いぞ。中に胴体が詰まっているからな」
「わたしもお手伝いしたいですけど……この子を保健室に連れていかないと……」
膝の上で目を閉じている風子の頬に手をあてる古河。
風子はそれが嬉しいのか、んー、と気持ちよさそうに口元を緩めた。
「さっきから気になっていたんだが……この子は一体どうしたんだ?」
ずっと倒れたままの風子を見て、智代が言った。
「クマに襲われないために死んだふりをしているらしい」
「死んだふり? クマ相手に死んだふりをするのは自殺行為だぞ。襲われたらクマの鼻先に自分の上着か何かを投げて、匂いに気を取られている間に距離を取るんだ。クマは獲物を狙う時、嗅覚に頼っているらしいからな」
「騙されました!」
がばり!と勢いよく風子が起き上がった。
つーか俺も知らなかった……死んだふりはクマに通用しないのか……。
やはり智代はクマと対峙したことがあるのだろうか。クマ殺しと呼ばれていても不思議ではない。
「なんだその目は……。言っておくが実際に試したことはないから本当かどうかわからないぞ」
「ないのか……」
「何か不服でもあるのか?」
「い、いや……なんでもない」
思わず目を逸らすと、名残惜しそうに古河の膝から離れた風子がこっちに向かってきた。
「岡崎さん……ではなくヘンな岡崎さん、よくも風子を騙してくれましたね……」
「いちいち言い直さなくていいから。それにそう怒るな、俺も知らなかったんだ」
「風子、たいへんお怒りです。もう、ジュースとか飲みたいくらい腹立っちゃってます」
「おまえ、さっき飲んだだろ」
「確かになぜか喉は潤っていますが、それとこれとは話が別です」
何が別なのかわからないが、さすがにさっき鼻から飲ませたジュースの残りをやるわけにはいかないだろう。俺は紙パックのジュースを無造作に上着のポケットに突っ込んだ。
「わかったわかった。コーヒーでいいだろ」
「牛乳と砂糖もたっぷりですかっ」
「たぶんな」
「そうですか、わかりました。それで手を打ちましょう」
どうやら風子は納得したようだ。仕方がない。一度資料室に帰ろう。
「では、早く行きます」
風子が先頭を切って歩き出す。とりあえず俺たちも風子に続いた。
しかしこいつはこれからどこに行くのかわかっているのだろうか。
「ヘンな岡崎さん、歩くの遅いです。ちゃっちゃと行きましょう」
「それより保健室に行かなくていいんでしょうか。大丈夫ですか、えっと……風子さん?」
「はい、安心してください。この包帯は念のため巻いているだけです。風子、どちらかというと石橋を叩いて渡るタイプです」
「そうですか。でしたら安心です」
「安心するなよ……。こいつは石橋を叩いて壊すタイプだぞ」
「風子、そんなパワータイプじゃありません。どちらかというと、『この橋、渡るべからず』という立て札があったら橋の真ん中を歩いて渡るほど知略に長けたタイプです。いっきゅうひんです」
「確かに、屁理屈を言わせたら大したもんだが……」
「屁理屈じゃありません。とんちです」
こうして……智代は着ぐるみを運ぶため、古河は智代を手伝い、風子はコーヒーを飲むため、資料室に同行することとなった。
智代がクマの頭を、古河と風子が胴体の着ぐるみをふたりで持って運んでいる。
しかし……おまじないが本当なら、この三人が信頼できる仲間ということになる。
いや、よく考えたら杏と藤林、それに春原もなんじゃないか?
……。
もう六人いるじゃん。俺も加えれば七人だ。
とにかく細かいことは後だ。説明は面倒だが話くらいはしてみてもいいかもしれない。
階段を下りて資料室に戻ってくる。
結局おまじないの途中で帰ってきてしまったな。
「こんなところに資料室があったんですか。知らなかったです」
「ま、目立たないからな……」
風子が、ぴっ、と自分を指差す。
「風子、知ってました」
「風子さんは物知りなんですね」
「俺が教えてやったんだろが」
「ここはとても危険な場所ですので注意したほうがいいです」
「そうなんですか?」
風子の大げさな口振りにも古河は真面目に受け答えしていた。
こうやってふたり並んで話していると仲の良い姉妹のようにも見える。
「どうした岡崎、入らないのか?」
智代の声で我に返り、資料室のドアを開ける。
……。
資料室の中には信じられない光景が広がっていた。
「ヘイ! 帰ってきたのかい!」
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感想などをお題箱で伝えてくれたら嬉しいです!
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♪後書き
またまたセリフ多数、地の文少なめになりました。#4です。
本来は智代が登場したところでいったん終わるつもりだったんですが、どうもテンポが悪いので続けました。
今回は登場人物も増えてやたらと長くなりましたが、テンポよく読めるように気をつけました。