○第10回「始まりの季節」
2008年12月11日放送。ストーリーを追いながら感想や予想などを箇条書きにしています。登場人物、使用曲、攻略チャートもデータとしてまとめました。
- 幻想世界 IX
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- 僕がガラクタを集めて、彼女が組み上げていく。
- 空はどんどん、曇っていく。冬が来る前にどうか……。その翼で、空を飛べますように。
白い息を吐き、目をこする少女。心配そうに見上げるガラクタ人形。 - 冬が来れば、彼女は動けなくなる。彼女自身がそう言っていた。
それがどういうことなのか、よくはわからない。
でもきっと、どうしようもなくなってしまうんだ。
ガラクタを少女の元に運び続けるガラクタ人形。彼が次に見たのは、冷たい地面に体を横たえる少女の姿だった。
- 渚・後日
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- 夢……夢を見ていた。朋也は卒業した。大切なものを学校に残したまま。オフィシャルコミックと似たような描写だが、夢の中の渚の言葉でがばっと起き上がるコミックと違い、のそのそと起き始める。こういう細かいところでも渚への愛が足りません。
- 木の下には……ついに光10個。あと3個……。
- 「今日から晴れてプーっす」
原作のダメ人間セリフを再現。ナヨナヨしてて女々しい。もっと堂々と言って「あぁ、こいつダメだ……」と思わせてほしかった。だがそれよりも朋也の着ている服が気になる。牛乳? 古河パンの貰い物かな? MAGE牛乳の冷ケース置いてるし。ビールの服とか業者さんに貰ったことがあるな。 - 古河パンで働かせてもらうことになった朋也。時給30円はアッキーの冗談だが、田舎での安い時給と考えれば700円前後か。三食昼寝付きで部屋代もタダなんだから十分だけどな。
- 「よろしくお願いしますね、朋也さん」
少し遅れたが、早苗さんも朋也さんと呼ぶように。もう家族のようなもの……というやり取りがいい感じです。 - 渚の部屋で報告。でかっ! だんご大家族のぬいぐるみでかっ! 前回の倍くらいになってないか? 圧縮されてたのか。
- 「智代や宮沢たちと同じクラスになれればいいな」
前回の卒業式の時に頼まなかった時点で嫌な予感はしてましたが……案の定、りえちゃんと杉坂の名前は完全カット。泣ける。
- 4月5日(月)
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- こうして朋也は『無職』から『古河パンアルバイト』にジョブチェンジした!
- パン屋の朝は早い。仕事始めは朝5時から。アッキーはすでに焼きにかかっている。7時開店だからなぁ。結構早いほうだと思う。
- 渚も今日から始業式。登校する渚の背に向かって、朋也も心の中で激励する。
- 古河パンは午前中が一番客入りが多い時間帯。朋也がこれまでに見てきた閑古鳥の鳴く古河パンとは違っていた。
- 早苗さんは午後から古河塾。算数を教えてます。りんごを例に挙げてわかりやすい教え方。なっちゃんは見当たらないな~。そういや前期でなっちゃんが出た時になっちゃん成長後SSっぽいものを整理しようと言っておきながら、一年近く経ってしまったな。
- どこかにふらっと出かけていたアッキーが帰還。これは後々に繋がる伏線としてはいい感じ。だけど朋也の説明モノローグはいらないかも。そこまで説明せんでも前後のやり取りからだいたいわかるんじゃないか? 水戸黄門で『翌日』とかテロップが出るくらい余計なことだと思う。現在の水戸黄門は助さん格さんがいらないくらいご老公が強すぎるのが面白いな。印籠見せた後に「もはやこれまで」と斬りかかった悪人を「痴れ者!」とか言って杖でぶっ倒しちゃった時は笑いが止まらんかった。
- 「早苗のパンでキャッチボールでもするか」
ゼリーパン。110円。ぷよゼリーを思い出した。ぷよまんは結構うまかったなぁ……。 - 渚が帰宅。同じクラスに知り合いはいなかった。また渚の喋りに違和感が出てきたな。要するに弱ってる時のトーンがベストなのか。
- 例によって古河夫妻の泣きっ面ダッシュと早苗追尾ダッシュ。ゼリーパンは結構うまそうだな。あの赤いのが甘くないジャムを使ったゼリーとかじゃなければ。
- 俺は少しずつ理解し始めていた。オッサンと早苗さんはずっとこんな風に渚を笑わせてきたのだ。
そして俺も……って言わねぇー! ぐむぅ。
- 4月10日(土)
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- 今日は部活説明会。渚、緊張の登校。
- 「渚とエッチなことしたい」
「すみません。帰ってきてからにしてください」
(帰ってきてからだったらいいのか……)
演劇リハーサル時の繰り返し描写は、演劇リハーサル時もカットされてたから当然カット。つーかその時はまだ恋仲ですらなかったんだよな……。 - 「おーい、朝ご飯食った?」
「きれいに磨いておきましたので」
とんちんかんな返事の渚に苦笑する朋也。カットされた上記描写の代わりですが、渚の言い方もカチカチに緊張している感じが出てて良いです。 - 渚、帰宅。ありゃ、なんか店を通り過ぎちゃうくらい落ち込んでるんすけど……次は小さな幸せのターンだったはずだが……。
- 好きなモノローグ、そしてりえちゃんポイントがほぼ全カットで気力減少。原作の小さな幸せ描写までヘコまさんでくれ。相変わらず取捨選択が私的にはぜんぜん合わないなー。
「……去年の演劇の時ぐらい緊張しました」
「ああ、だろうな。わかるよ」
「演説は……朋也くんが聞いてたら、ぜんぜんダメだ、とか言いそうな出来でしたけど……。それでも最後まで壇上に立って…話をしました。みんなで力を合わせて、ひとつのことを成し遂げる……。それは素敵なことですから、一緒にやってみませんかって」
「そっか……。不格好でもいい。思いが伝わればな」
「はい。それで……戻ってくる時に、パチパチって拍手が聞こえてきました。仁科さんと杉坂さんでした」
「話できたのか?」
「少しだけです。お元気ですか、とか、がんばってますね、とか」
「そっか、良かったな」
「はい」
頑張っていれば、いいことは絶対にある。
ささやかなことでも、積み重なって、きっと合計では良かったと思えるようになる。
それは、俺が最後の学校生活で知ったことだった。
あんなにも嫌いだった学校生活の中で、知ったことだった。
- 4月14日(水)
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- 事実を告げねばならない智代のつらそうな表情。それを察して渚は無理に笑顔を浮かべる。智代と言えば、鷹文は完全にスルーされてるな。やっぱりエンディングに出てるからって本編に出るとは限らないんだね。
- 結局、入部届けは……一通も提出されなかった。
- 渚ひとりの演劇部室。これは、原作以上に多くの人間が関わったからこそ出せる寂しさ。弊害も多数あったが。
- 通い妻編
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- こいのぼり。5月頭から働くはずが、もう5月になっちゃってます。まぁ原作でも日付が出るのはここら辺が最後だから適当でいっか。
- 買い物帰りの朋也が電柱を見上げると、仕事をする芳野さんの姿が。
- 「ああ、人手不足なんだ。きつい仕事だからな」
ヒトデ不足ですかっ。風子に任せてください! - 「今は何やってるんだ?」
「ニ……フリーターです……」
ニートと言いかけてフリーターと見栄を張った彼に、俺は何も言えなかった(芳野談)。冗談はさておき、『家事手伝い』というのはフリーターと見栄を張るより情けなくないか? 女の子じゃないんだから。 - 公子さんの妹の話。まだ入院中だが、いつの日か風子が目覚めることをふたりとも信じている。公子さんと話していた時に光が空を舞うシーン、これが光使用イベントである可能性もあるから特に問題ないな。風子シナリオを最後まで描写した以上、光使用イベントは別に必須じゃないけど。
- 周囲を行き交う人々。学生、社会人……。少しでいいんだ。自立を考える際に渚の姿がふいと浮かぶ程度でいいんだ……。それなのに……
- その時! 俺は聞いてしまった! ここで聞こえるべきでない声を! 俺を「朋也」と呼び捨てで呼ぶ数少ない人間……その名は……
- 久しぶりじゃねぇーーーーっ! まさかの藤林姉妹がセットで登場。別の道を歩み始めた藤林姉妹がこうも簡単にふたり一緒にいる上に朋也と出会ってしまうとは……。
- こうして朋也は『古河パンアルバイト』から『電気工事見習い』にジョブチェンジした!
- 古河家を出ていく決心をした朋也。朋也のすがすがしい笑顔が嫌。春原の忠告を受けて『渚は朋也がいてくれるからがんばれる』ことを知っているはずなのに、朋也は渚をひとり置いて家を出ていってしまうという。こいつは本当に朋也なのだろうか? それともやはり、岡崎サイボーグなのだろうか……?
- 嬉しかった。
俺は、渚を自分の力だけで守っていく。
生きていく理由を見つけた気がした。
歯車はきしみをあげて回っていく。
いや、それを回しているのは俺の思いだ。
人の、思いだ。
18歳の今、俺はそのことに気づいた。
心に残るモノローグも、同棲しないのでもちろんカット。 - 朋也と秋生のキャッチボール。
- 「いつか……いつか、渚を連れてっていいか」
これはこれでいいセリフなんだけど、やっぱり秋生が窓ガラスを割った後の描写を見て言ってほしかった。この人のように、人を笑わせたい。誰でもない大切な人、渚を。自分だけの力で。 - 「この界隈じゃ、パンを焼くベーブ・ルースと呼ばれた男だぜ」
ソーサがベーブ・ルースに変更。 - 窓ガラスを割った後がいいポイントなのになぁ。完全カットで単なるギャグに。
- 5月5日(水)
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- 5月の連休、その最後の日に引っ越しをした……かどうかわからないが、日付は一応原作準拠で。
- 「ふたりでの生活のスタートです」とかは後回しにできるけど、朋也と渚がふたりで一年頑張る誓い、それに渚がこの一年を嬉しい時以外は泣かない誓いは完全カットで、もう物語の雰囲気というか根底にあるものがぜんぜん違ってきてます。今さら手遅れだけど、積み重ねって大事だよね。
- アッキーが帰って渚とふたりきりに。あからさまに緊張してる朋也。
- だんご大家族を口ずさみながらお茶を淹れる渚。アフター初めてのだんご大家族ポイント。一回逃したからなぁ。これからも頻繁にだんごっだんごっ言ってくれ。エンディングテーマ変わっちゃったんだから。
- 渚も帰宅……しちゃうんだよなぁ、やっぱし。はぁ……。
- 5月6日(木)
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- 次の日も渚が起こしてくれる。朝8時からの仕事だから、渚はかなり早起きして朋也の部屋まで来たんだな。
- 電気工事設計施行『光坂電気』。今日からここが、朋也の新しい職場。深呼吸して戸を開ける。
- 朋也の挨拶にぎこちなく返事する作業員たち。ここはまだ、自分の居場所ではなかった。
- 芳野さんに渡された作業着に着替える。親方登場。キャストクレジットでは社長となってますが、親方と呼ぶほうが合ってそうな風貌。
- 朋也は芳野さんとコンビで仕事をすることになった。芳野さんの運転する車で仕事場へ。車の正面からのカットはリトバスっぽい。あのシーンは、ちょっと……なぁ。
- 原作でも執拗に描かれる仕事描写ですが、学園編で芳野を「手伝う」場合は特に朋也の心情が深くわかって面白い。
この額ならば、自分の力だけで食っていける……。
けど、それは甘い考えなんだろう。
俺のような冷めやすい性格の人間に勤まるような仕事じゃなかった。
きっとすぐに嫌気が差して、投げ出してしまうに違いなかった。
じゃあ俺は、どんな場所に収まれるというんだろう……。
俺はかぶりを振る。
そんなことを今から考えていたくなかった。
きっとなるようになる。
今は、今を楽しんでおこう……。
まさにこの時からすれば「大人になろうと懸命に足掻いてる子供に見える」だろう。朋也を懸命にさせるもの……それは渚の存在。……のはずだけど、アニメではそれがはっきりと伝わってこないのが難点。このままじゃ春原の問いに答えることもできないぞ。愛が足りないぜーっ! - 現場での作業開始。一度も芳野さんを手伝ってないから少し違和感があるな。学園編で手伝わなかった場合も、アフターで一度手伝ってから就職するからなぁ。
- 仕事描写自体は特に違和感もなく、うまくまとまってた。
- 一日の仕事を終え、満身創痍の朋也。しばらく休んでから、おぼつかない足取りで家路を辿る。
- 家の扉を開け、倒れ込む朋也。台所に立つ渚を見ると、それだけでいくらか回復した気分になる……はずだけど、これだけの描写じゃあんまり伝わってこない。もっと愛を!
- 「今日はすごくいいことがありました。音楽の授業が、仁科さんのクラスと一緒だったんです。仁科さん、わたしのこと心配してくださいました」
最後の最後に渚の口からりえちゃんの名前が出たっ。「すごくいいこと」ってところが嬉しい。
- 総括
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同棲しねええええええええええっ!
てなわけで、元からCLANNADというひとつの物語としては原作と大きく異なってるけど、これでさらに遠くなった気がする。朋也と渚の共依存的なものがアニメではまったく感じられないのが個人的に不満なのかも。せめて渚の頭に手を載せるくらいはしてほしいなー。
まぁ原作と切り離して考えれば、そこまで矛盾を感じることもないだろう。と言っても、私自身はどう足掻いても客観視することはもう無理だから、はっきりとはわからない。
それ、楽しめてるって言えるんですかねぇ!……と自問することもあるけど、ツッコミ病なのでツッコミしながら見るのは楽しい。我ながら屈折してると思う。
ともあれ、りえちゃんに和んでまた次回!
○第10回データ
- 登場人物
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- 岡崎朋也
- 古河渚
- 古河秋生
- 古河早苗
- 芳野祐介
- 藤林杏
- 藤林椋
- 春原陽平
- 一ノ瀬ことみ
- 坂上智代
- 幻想世界の少女
- 幻想世界のガラクタ人形
- 親方
- 作業員たち
- 客
- ガキども
- 使用曲
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- 幻想 II
- 時を刻む唄 -TV Animation Ver.-
- 汐
- 萌葱色の石畳を駆ける(原曲:田舎小径) 「MABINOGI CLANNAD arrange album」収録
- 日々の遑
- 東風 -piano-
- 胸元にライラックの花飾り(原曲:日々の遑) 「MABINOGI CLANNAD arrange album」収録
- 田舎小径
- その桜簾を抜けて(原曲:同じ高みへ) 「MABINOGI CLANNAD arrange album」収録
- 月の位相
- TORCH -TV Animation Ver.-
- 時を刻む唄 -off Vocal Ver.-
日付 | 選択肢 | 備考 |
---|---|---|
幻想世界 IX | ||
渚・後日 | ||
4月5日(月) | ||
4月10日(土) | ||
4月14日(水) | ||
通い妻編* | *原作では同棲編 | |
5月5日(水) | ||
5月6日(木) |