第14回外伝「仁科りえウェイトレス記念祭」

杉坂
「いらっしゃいませっ」
仁科
「いらっしゃいませ~」
「いらっしゃいませ」
三人
「Pia♥キャロットへようこそ!」
杉坂
「よしっ、つかみはオッケー!」
仁科
「つかみは最悪だと思うんだけど……」
「なんのことだか、よくわからないです」
杉坂
「『Milky Way』のほうがよかったかな?」
「『Ernesto Host』ではないでしょうか」
杉坂
「うーん、渚さんは真面目だなぁ~。まぁそこが可愛いんだけどねっ」
「いえ……あっ。……ありがとうございます……」
杉坂
「うはー。照れた表情も可愛いなぁ」
仁科
「すーちゃん、よだれ」
「でも、杉坂さんと仁科さんのほうが可愛いです」
杉坂
「そう? そりゃりえちゃんは当然可愛すぎるけど、私は可愛いってタイプじゃないよ」
「そんなことないです。杉坂さん、可愛いです」
仁科
「黙っていればね」
杉坂
「ぐぐ……さすがはりえちゃん、絶対零度の一言。たまらん」
「仁科さん、杉坂さんに対して言うこときついです。朋也くんみたいです」
仁科
「そ、そうかな? ちょっと言い過ぎたかも」
杉坂
「いやぁ、私、りえちゃんにツッコまれるのが至福の時だから。それに長い付き合いだからね。気にしない気にしない」
「親友ですね。そういうのうらやましいです」
杉坂
「なーに言ってるの。渚さんには素敵な旦那さんがいるじゃない」
仁科
「そうだよ。うらやましいな~」
「あ、はい……ありがとうございます……」
杉坂
「んじゃ、始めよっか。それではこれよりっ、アニメCLANNAD ~AFTER STORY~『第247回仁科りえウェイトレス記念祭』を開催するよ~!」
「第247回ですか、それはすごいですっ」
仁科
「な、渚さん……」
杉坂
「さて、私は今回初めてこの衣装を身につけたわけですが……自分で着てみてつくづく思うけど、これ、どう見てもエロゲーに出てきそうなエロ衣装だよね~。着衣エロもいけそう」
仁科
「えろえろ言わないの」
「?」
杉坂
「ところで……じーーーー」
仁科
「な、なに?」
杉坂
「りえちゃん、私より胸あるね」
仁科
「うんっ、そうだね!」
杉坂
「なんかすごく嬉しそうなんだけど」
仁科
「そっ、そんなことないよっ」
杉坂
「……パッド?」
仁科
「いきなり失礼な人だね……。違うよ」
杉坂
「じゃあ生なんだ……」
仁科
「嫌な言い方しないでくれます?」
杉坂
「でも学生時代を思い返すとさ、りえちゃんが一番小さかったよね……背も胸も。渚さんが身長155cmでバスト80だから、どう考えてもそれ以下なはず……」
仁科
「私も成長したんだよ。すーちゃんとの身長差も以前よりなくなってるよねっ」
「ちょっと待ってくださいっ。どうして杉坂さん、わたしの身長と、その……」
杉坂
「なんで知ってるかって? 渚さん、私はね……見ただけでだいたいわかっちゃうのよ」
「そうなんですか。なんだか恥ずかしいです」
仁科
「渚さん、すーちゃんの言うこと、真に受けちゃダメだよ」
杉坂
「それにしても、私より大きいのは納得いかないなぁ」
仁科
「ひどい疑いようだね」
杉坂
「だってさぁ……」
仁科
「あっ、そうだ! きっと私、着やせするタイプなんだよ。『とらんじすたぐらまー』だよっ」
杉坂
「違う……違うんだ……。私のりえちゃんはなんでも小さいのが可愛いんだよ……! それと、トランジスタグラマーとか死語すぎる」
仁科
「むちゃくちゃ失礼な人だね……。それと、誰が"私のりえちゃん"ですかっ!」
「あ、あの……おふたりとも、落ち着いてください」
杉坂
「そういや、土方店長もヒゲの似合うダンディなおじさまになっちゃって、オフィシャルコミックとは完全に別人だね。めっちゃイケメンだったのに」
仁科
「私はアニメの土方さんのほうが……」
杉坂
「そりゃそうだろうね。りえちゃん年上好きだし」
「そうなんですか?」
仁科
「そ、そんなことないと思うけど……」
杉坂
「『古河さんのお父さんって、若くて格好いいですね』とか言いながら、渚さんのお父さんに熱視線を送ってたのを私はよーく覚えてるよ。アニメでは出番があるかすらわかんないけど」
仁科
「そっっ、それは……っ、お酒が入ってたからだよっ」
杉坂
「そのセリフ、以前も聞いたなぁ~」
「仁科さん、お父さんのことが好きなんですかっ」
仁科
「い、いや……あの……えと……」
杉坂
「いやぁ、うろたえるりえちゃんも可愛いなぁ」
仁科
「楽しんでないで誤解を解いてよっ」
杉坂
「しょうがないな~。というわけで渚さん、ここでクイズです」
「はい? クイズですか?」
杉坂
「りえちゃんが恋する人とは……さて、誰でしょう? 1番、岡崎朋也。2番、春原陽平。3番、幸村俊夫。4番、古河秋生。5番、土方店長。さあ、どーれだ?」
「1番はダメですっ! 4番もダメだと思います……」
仁科
「どれも違うよ……」
杉坂
「当たり。正解は247番の杉坂でした~」
「えっ? そうなんですか?」
仁科
「違うよっ!」
仁科
「ところですーちゃん、どうしてこのファミリーレストランでアルバイトすることにしたの?」
杉坂
「ぎくっ」
「それはわたしも知りたいです。どうしてですか、杉坂さん」
杉坂
「そ、それは……」
仁科
「それは……?」
杉坂
「急用を思い出した! それではこれにて解散っ! とああーーっ!」
「行ってしまいました……」
仁科
「どうしたんだろう、急に。ヘンなすーちゃん」
杉坂
「ふぅ、やばかった……。危うく目的がバレるところだった」
杉坂
「こうなれば……バレる前に作戦開始だっ」
杉坂
「以前は失敗したが、今度こそ……」
杉坂
「りえちゃんへの愛がある限り、ウェイトレス激写作戦は何度でも始まるのだッ!」

第2次ウェイトレス激写作戦に続く?