◎第15回「夏の名残りに」
2009年1月29日放送。ストーリーを追いながら感想や予想などを箇条書きにしています。登場人物、使用曲、攻略チャートもデータとしてまとめました。
- 同棲編 夏
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- 朋也、「ふかくおもいだす」を使用。あれはいつだったろうか。学生時代にはまるっきり冗談にしか聞こえなかったことが、今、現実になろうとしている。思い出すセリフが原作と違うのは、汐シナリオで親馬鹿になるための布石ですか。
- 「俺が守る」
朋也は強くそう告げていた。相変わらずこういう表情の変化による場の引き締め方はいいね。 - 「あの日の秋生さんそっくりですね」
「あん……?」
「わたしたちが渚を授かった時も、秋生さん、俺が守るって言ってくれましたよ」
「そうだったな……」
でも渚は早苗さんより体が弱い。そういうことを心配しているのだろう。 - 「頑張れよ、この甲斐性なしっ」
これからは朋也ひとりで、渚と子供と……三人分の家計を賄わなければならない。 - ふと、思った。親父も、俺が生まれる前はこんなことを考えたのだろうか……。
直幸と同じ"父"という立場になって初めて、直幸に一歩、歩み寄る朋也。そして……。
- 誕生編 夏
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- 短すぎる同棲編が終わり、「おめでとう」という芳野さんの祝福から、ついに誕生編へ突入!
- ジョニーの出番があって嬉しいぜ。ジョニーさんにもらったタオル。何回も洗って、薄くなっていた。という描写に期待。
- 「産まれてくれば嫌でも理解することになるさ。人は誰もがひとりでは生きていけないということ……誰もが誰かを支え、そして誰かに支えられて生きていくこと……この広大な宇宙の片隅に地球が誕生してから45億年……」
芳野さん、延々と愛を語り続ける。 - それから時は流れ続ける……。「朋也くんより、開かれましたっ」はカット。無念。
- 日を追うごとに、渚のつわりがひどくなっていく。今日は起きられなくなっていた。
- 深夜、起きておにぎりを作る朋也。一口で食べられるような小さめのをいくつも。思ったよりも小さいな。
俺も自分で調べてみた。どうやらちゃんと食べるのが一番の薬になるらしい。常にお腹を空かさないようにして、少しずつ食べるそうだ。
……というモノローグを入れてほしかったところ。 - そして、つわりとの戦いもようやく終わりの時を迎える。
- 渚の提案、自宅出産。
「ここは朋也くんとわたしの家です。わたし、自分の家で……この町で、赤ちゃんを産んであげたいです」 - 「自宅出産だとおぉぉーーーっ!?」
アッキー、身体を左に傾けて華麗なドリフト。リアル系レースゲームをプレイしてるな。『水道管ゲーム』という言葉が本人の口から出てたから、マリオカートを想像してた。 - 早苗さんと渚の姿を見て、タバコの火を消す秋生。おおっ、ちゃんと消してる。こういう細かいところの再現は嬉しいな。タバコに火をつけてすぐ消す……どうしても神宮寺三郎を思い出してしまう。
- 「でも、舐めたのは俺が最初だぜ」
「わたし、そんなことされてたんですかっ」
「それだけ可愛かったってこった」
「可愛くてもそんなことしたらダメですっ」
渚の「ダメですっ」が好きな私としては、このポイントが再現されて嬉しい。 - 「舐めるのは俺が最初だあぁーーーっ!」
「ダメですっ、舐めるのも朋也くんが最初ですっ」
「……いや、舐めないけどさ」
「あ……。そうです……舐めませんっ」
ここでまさかのアホアホ親子再現! アホアホ関連はこれまでほぼぜんぶカットされてたからなぁ。嬉しい。 - げぇっ! 志麻くんの時と同様、ここでも一輪の彼岸花が。花言葉は「恐怖」、「あきらめ」、「過ぎ去った日々」、「悲しい思い出」、「想うはあなたひとり」、「再会」と、以前は美佐枝さんに当てはめたけど、今回の朋也にもまったく同じ言葉が当てはまるのが恐ろしい。
- 助産婦の八木さん登場。早苗さんのお友達、としか言ってないけど、学生時代の同級生なんだよね。やはり早苗さんの若さは神秘的だ。
- 八木さんと話してるシーンでテレビの上に鎮座してるだんご大家族のぬいぐるみがでかすぎる。渚が自宅出産の話を切り出した時よりさらにでかい。最初登場した頃の倍以上の大きさになってそうだ。ごっつこわっ!
- 朋也のアパート、部屋番号は202か。
- 朋也は高校時代を思い出していた。みんなでひとつの目標に向けて頑張っていた、あの頃に。……というほど説得力がないのが難点。
- 「わかるか~、俺がパパだぞ~」
「嘘ついたらダメですっ。この子、信じてしまいますっ」
「冗談も通じねぇのか、てめぇの子はよ」
ここは汐がなぜ「あっきー」と呼ぶか、というためにも必要なポイント。渚の「ダメですっ」もあって嬉しい。ただ、やっぱりアッキーのキャラ的には原作のやり取りでお願いしたかった。
「おまえはジィさんだろっ!ってツッコんでみせろよ。渚使ってでもいいからよ」
渚のお腹はコックピットではない。
「しかし、おじいちゃんなんて呼ばれるのか俺は……んなのヤだねぇ」
相変わらずわがままな人だった。
「というわけで、俺様はアッキーだ。アッキーと呼ばせよう。最初に覚えさせろよ、このクソ親父」
「なんでだよ……」 - 「だんごっ、だんごっ」
ひとりで歌い始める渚。早苗さんがそれに続く。そして、秋生も朋也もいつしかそれに混じっていった。 - 「でもこいつの好きな音楽といえば、あれしかないからなあ」
「はい。というわけで、みんなで歌いましょう」
「マジで?」
という原作と違って自然にだんご大家族を歌いだしたね。学生時代に口ずさんでたのは『ラブ・アンド・ダンゴ』だからいいとして、もうちょっと最後へ繋ぐために歌うのを躊躇しても良かったかも。ともあれ、ここで『だんご大家族 -off vocal ver.-』が流れたのは良かった! - そうして、みんなでひとつの幸せを形作っていた夏が終わった。
- 誕生編 秋
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- 残暑の厳しい日。渚、倒れる。ここでなぜか『遙かな年月』が流れる。なんか合わないなー。個人的には原作通り(といっても状況は違うけど)『町,時の流れ,人』か、もしくは『潮鳴り』のほうがいいな。
- 「そうだよな。おまえ、強い奴だもんな」
精一杯、不安を顔に出さないように振る舞う朋也。 - 「心配しないでください、朋也くん」
だがそれは渚に気づかれていた。いや、渚に気づかれるほど、朋也の中には不安が渦巻いていた。 - 後日。帰宅途中に出会った早苗と一緒に、渚の働いていたファミリーレストラン「Ernesto Host」へ。
- 「出産の際、少し危険が伴うとお医者様に言われました」
かなりオブラートに包んだ言い方になってるね。 - 茶色いジャケットを着てシリアスな顔してると、朋也が魔神勇二(Only you -リ・クルス-)に見えてしょうがない。特に早苗の話を聞いた後の歯を食いしばるところなんかそっくりだ。
- 「早苗さん、いつも……俺たちのために、ありがとうございます」
「家族ですから」
本当に、早苗さんには頭が上がらない。これからもずっと……。 - 渚が原作と違い、自宅出産でなくても……と考えてくれても、未だ不安が拭えない朋也。
- 秋生に連れられて、町外れへ出る。山を迂回して辿り着いた場所。そこは自然に囲まれ、秘密の場所のようにあった。
- 「どんどん緑が削られてよぉ。もうすぐここには、病院ができるそうだ。結構なこった」
光坂総合病院建設予定地。 - これまで自然に関する描写がなかったため、町と自然がテーマだと思われてしまいそう。こういう描写がある場合、だいたい自然がどうの……という話になりがちなので、初プレイ時は新鮮だったなぁ。
「この町はさ、変わり続けていく。それはどうも止めようがねぇみたいだ」
「ああ、そうみたいだな……」
俺だけじゃなかったんだ。オッサンも同じことを思っていたのだ。
そして、それはふたりだけじゃなく、もっとたくさんの人間が思っていることなのかもしれない。
「別に俺は自然を守ろうなんてことは思いもしねぇ。町は人のために変わり続けていくべきだとも思う。だけどな……この場所だけは変わってほしくなかったんだよ」 - 「これは、二年前の話の続きだ」
そして秋生は語り始める。因果のはじまりを……。 - 「渚を助けてくれ……こんな最後は嫌だって。もう何かに祈ることしかできなかったんだ」
「その時、ここの緑が……渚を包み込んだ気がした」
「それ以来……ずっとこの場所を見てきた」
「ここが、あいつの分身のように思えてならなかったんだ……」 - 「なぁ、小僧……」
「いや、朋也」
「これからはおまえにも、苦しいことや悲しいことが待ってるはずだ」
「おまえたちなら、俺たちなら、乗り越えていけるはずだ」
「俺たちは、家族だ。助け合っていくぞ」
秋生シリアスポイントは、雰囲気主義な私にとって全体的に大満足だ。 - 「風が涼しくて、気持ちいいです」
演出:伊吹風子。相変わらず"風"という言葉に過剰反応するのであった。 - 胎動。温かい渚のお腹に触れる。その中には、成長していく命。命が形作られていく過程を実感する。
- 川辺にて、子供の名前を考える朋也と渚。「古き河の流れ、長い旅の果てに渚に至る」というのが渚の名の由来だと妄想してるので、川辺で名前を考えるのはいいね。そして、この河の流れの果てには"汐"がある……。
- 「俺は名字を与えることができるんだから」
これは『岡崎渚』となった日の渚が言った、「でも、やっぱり岡崎渚って名前だと強くなれた気がします。なんだか……守られてる気がします」のセリフを受けてのセリフだけど、まぁ違和感はない。 - 「汐、というのはどうでしょうか」
これはさすがに「渚は、浜辺のことです。潮の満ち引きする場所です。ですから……」と前置きが欲しかった。ちょっと唐突。 - 渚が砂地に枝で『汐』の字を書く。それに『岡崎』と書き足す朋也。これは、演劇部室の黒板にふたりで名前を書き合ったことを彷彿させていい感じだっ!
- 「きっと、人生はいろんなことがあります。(汐は渚から、時には引いて離れることもありますが……)でも、時が経てばまた満ちて、そばに帰ってきます。ずっとそれを繰り返して……わたしは汐を見守っていきます」
カッコ内がカットされてるから意味が通じにくい。なぜカットする……。 - 「渚より潮のほうが大きい存在だよな」
「そうですね。海ですから」
「そんなふうに、何もかもを包み込み、育むような……大きな優しさを持った奴になれるかな」
「なってほしいです」
要所要所で風が吹く。演出:伊吹風子。 - 「来年は、汐と三人で海へ行こう。約束だ」
「約束……」
演出:伊吹風子。まさかここで、原作では行けたであろう海へ、直幸逮捕の件で行けなかったことが効いてくるとは。まぁ今の状況だと死亡フラグにしか聞こえないのが難点。トゥルーエンドに期待しよう。 - 生まれてくる子供の名は……岡崎汐に決まった。
- 総括
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全編シリアスだと感想は書きづらいね。言葉にするのは難しいけど、今回はかなり良かった。
原作ではこの段階でもう絶望しかなかったからね。重みは減るけど、個人的にはこれくらいがちょうどいいや。初回プレイ時はただでさえAIRの後だったので「またかよ……」という気持ちもあったし、へこまされ続けて疲れた記憶が。そのかわり感慨もひとしおだったけどね。
りえちゃんに和んでまた次回! 次回はいよいよ汐誕生か?
へこまされ続けた最後の回復ポイントにして、りえちゃんと杉坂最後の出番……は、予告からすると期待薄。私服りえちゃんと杉坂が、そして、春原が提げていた包みを床に置いて、杉坂が封を解く……という「おまえら、いつの間にそんな仲に……」が見たいッ!
あとは雪の描写が気になる。タイトルが『白い闇』だし。これはまさかっ、季節外れの大雪……汐エンドでの繰り返し……そして、トゥルーエンドで雪が光へと変わる……! これを狙ってるのかっ!? だったら感涙にむせぶぜ!
◎第15回データ
- 登場人物
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- 岡崎朋也
- 岡崎渚
- 古河秋生
- 古河早苗
- 芳野祐介
- 八木
- ジョニー
- 作業員たち
- 子供たち
- 使用曲
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- 夏時間
- 時を刻む唄 -TV Animation Ver.-
- 汐
- 白詰草
- 田舎小径
- 東風 -piano-
- だんご大家族 -off vocal ver.-
- 遙かな年月
- 町,時の流れ,人
- 潮鳴り II
- 願いが叶う場所
- TORCH -TV Animation Ver.-
- 時を刻む唄 -off Vocal Ver.-
日付 | 選択肢 | 備考 |
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誕生編 |