○第18回「大地の果て」
2009年2月19日放送。ストーリーを追いながら感想や予想などを箇条書きにしています。登場人物、使用曲、攻略チャートもデータとしてまとめました。
- 幻想世界 X
-
- ……歩いていく?
……いろんなものがあって……温かくて……楽しい場所へ……。
……きみは……そうしたいんだよね? - ……そう……。
……じゃ……いこう。
雪が降り積もって、この大地が雪原に変わる前に。
長い、旅の始まり。
遠い……記憶の中にある場所までの。 - 少女とガラクタ人形、直幸と朋也、そして朋也と汐。ここで手を繋ぐのはタイミングバッチリなんだけど、ガラクタ人形が何も言わないのでわかりにくいかも。せめて力強く頷く描写は欲しかった。
- ……歩いていく?
- 汐
-
- 場面は最初から電車内。案の定「……ぜんぶ」はカットで残念。
- どれくらい電車に揺られていただろうか。ぼんやりとしていた朋也の袖を引っ張る汐。
「……あそんで」
外の景色も見飽きたのだろうか。朋也を見上げる汐。 - 「早苗さんとは、何してるんだ」
「ご本よむ」
早苗さんの知力。『ご本』とは……ことみかっ!? - 「オッサンとは?」
「やきゅう」
アッキーの身体能力。秋生を見て育った汐は、こんなに強くなりました。 - 「こまだ」
こまだキターーーっ! なんか構えがあんまり似てないような気もするけど。よっしゃ、次は当たっていないのにデッドボールを主張する達川だっ! - 「静かにしてないと、恥ずかしいでしょ」
うわぁ、親が絶対に言ってはいけないセリフが出ましたよ。恥ずかしいって、おまえがだろう。子供は恥ずかしいと思っちゃいない。他にも「怒られるからやめようね」とかも絶対言っちゃいけません。恥ずかしいからとか、怒られるから静かにするのではない。それをしっかり教えるのがしつけであり、それは親の義務であり、あーだこーだ(以下略。 - 「うるせぇっ! ちったぁ周りのことを考えろっ!」
朋也ブチギレ。汐は驚愕と恐怖が混じったような表情。 - 「くそ……」
子供を庇う母親の姿に目を背ける朋也。気づくと、隣の席にいるはずの汐の姿がなかった。 - 汐はトイレに駆け込んでいた。目を腫らした汐の顔。全体的に見ると、朋也の汐に対する態度は原作より緩やかなんだけど、ここは原作朋也より冷たいな。自分が泣かしたことに気づかないとは……。
- 「……でも……ないていいところがあるって……」
「ふーん、どこだよ、そりゃ」
「…………」
「……おトイレ」
朋也を見上げる汐視点と汐を見下ろす朋也視点。おトイレと答えるまでの沈黙がいい感じだ。朋也の視点がこれから徐々に変化していくところもアニメの利点を活かした視点演出がされていて、とても良かった。 - 「泣きたい時には、泣いていいんじゃないのか。今のうちに泣いておいたほうがいいぞ。泣きたくても泣けないことなんて、大きくなったらたくさんあるんだから」
泣きたくても泣けないこと……あの悲しい日を思い出しかけて、汐から目を背けて顔を伏せる朋也。汐はその姿をじっと見上げていた。 - お土産・特産売り場で、汐におもちゃを買う。
時代錯誤なデザインが珍妙で面白かったから……と思わず朋也が薦めたのは、手のひらサイズの寸胴なロボット。
汐は悩むことなく、それに決めてしまう。だが冷静になってみると、女の子はもとより男の子だって欲しくならないような代物だった。 - 「……ううん、これがいい。これ、好き」
朋也に買ってもらったロボットを持って、目を輝かせる汐。ミュィーーーン……ギィィィ! ガァァァ! ギィィィ! ガァァァ! キシャーーーーッ! と、騒音は立てないようだ。 - そこからは夢うつつだった。
ずっと汐の姿が見えていた。
視界の中で汐は、じっと流れる風景を見ていた。手に持ったロボットを窓に張りつけて。
楽しい夏休みになっているだろうか……。友達に自慢できるぐらいの……。
こんな恐いだけの父親とふたりで、楽しいはずないか……。
初めてのふたりきりの旅行なのに……。
寂しそうな汐、ひとりだけの風景しかなかった。 - 夜中の旅館。一日遅れの行動については、特に言及しないようだ。動物に触ることができる動物園に行けなくなったことが幻想世界にも繋がる描写ではあるが、アニメでは肝心の幻想世界でその描写がないからなぁ。
- 「おトイレ」
夜中に起き出してきた汐の言葉にはっとなる朋也。泣くために行くのではないと気づいて安心する。トイレに向かう汐にかける言葉も、最初の頃の辛辣なものとは違ってきていた。これはいいオリジナル描写だ! - 「……ひとりでできた」
結局汐のトイレに付き合う朋也。まさかの三回目に歓喜。四回目が効くぞ~。 - 汐、初めて蛍を見る。蛍の光で幻想世界の光を示唆、というのは安易な気もするけど。
- 「ママのこと、おしえて」
電車内での重要イベントをここで。贅沢言うと、汐のセリフが終わった瞬間にBGMを止めてほしかった。自分のことを恐がっているのかと察し、少し目線を下げて汐と話す朋也の変化がいい感じ。 - 次の日。電車は旅の終点へと辿り着いた。
- 見知らぬ土地に降り立つ。
もわっとした熱気がふたりを包み込む。
見渡す限りの自然。舗装もされていない道がどこまでも続いていた。 - 「ほら、ちゃんと帽子かぶって。今日はいっぱい歩かなきゃならないんだから」
原作と同じなんだけど、やっぱり映像になるとぜんぜん違うなぁ。朋也と汐の表情の変化もいい! - 広がる緑の中、一面に色とりどりの模様を編み込んだような場所が見渡せた。その風景に見惚れるふたり。
- 汐を肩車する朋也。犬が尻尾を振るように足をぶらぶらとさせて大喜びする汐。うおおっ! この足をぶらぶらとさせるのは風子とのリンクだ! まさかアニメオリジナルな汐と風子のリンクポイントを拝めるとはっ! 最高だっ!
- 「わーい」
花畑は、いつの日か嗅いだことのあるような懐かしい匂いに包まれていた。
リュックを背負ったままの汐が、その中を駆け回る。
あんなに楽しそうにしている汐を見たことがなかった。
退屈しかしないようなひどい旅だったけど、ここにきてようやくいい思い出を作ってやることができた。
花の匂いを帯びた風が通り抜けていく。心地よかった。 - 「……なくなっちゃった」
「何が」
「……ろぼっと」
ふたりで探し回ったが、ロボットはなぜか見つからなかった。原作と違って理由付けがなく、"なぜか"見つからない、としているのが面白い。この花畑で失くしたはずのロボット。トゥルーエンドで願いが叶った際、再び時を刻み始めた汐シナリオ世界のほうも映してくれたら嬉しい。花畑の1カットに失くしたはずのロボットが映るだけでもいい。失くしたロボット関連で妄想してた時期もあったなぁ。 - 「帰りに同じの買えばいいよ。な?」
「……あれがいい」
懸命にロボットを探し続ける汐。その姿を木陰でぼんやりと見ていると……風向きが変わった(演出:伊吹風子『風変』を使用)。潮の匂いがした。 - 潮風の匂いでよみがえる……忘れていた昔の記憶。原作と違い、朋也は旅の終着点を……風と記憶の中から紡ぎ出した。
- 潮の匂いを辿って斜面を登っていく。視界が開けると、その先には海が、そしてひとりの女性が、見えた。
- 「わたしは岡崎史乃と申します。あなたのお父さん……岡崎直幸の母です」
旅の終着点に待っていたものは、年老いたひとりの母だった。 - 祖母の口から語られるのは、父の思い。そんな思いであの人が俺を育ててきたなんて知らなかった……と、朋也は思う。だが、朋也も本当はどこかでわかっていたのかもしれない。母の記憶がない朋也は、幼い日から父とふたりで暮らしてきたのだから。だからこそ、他人になっていく父親を認めたくなかった。そして、向き合うことなく逃げ出してしまった。
- 直幸と朋也……ふたり、手を繋いで。これでは、トゥルーエンド最後のCGを原作通りラストに使用しても効果はないだろう。どうなるか楽しみだ。そして、ええいっ、『願いが叶う場所 II』はまだかっ。そうか、朋也にとっての願いが叶う場所のほうにするんだなっ。
- 「直幸に伝えてください。もう帰ってくればいい、と……。わたしはこの土地で、あの子を待ってますから」
優しい目だった。母の目だった。ずっと子を見守ってきた人の。 - 史乃と共に花畑へ戻ってきても、汐はまだロボットを探していた。
- 父の記憶を辿り、しゃがみ込んで汐と目線の高さを合わせる朋也。ここまで自然に目線を下げてきたんだから、そこまで露骨にフラッシュバックしなくてもいいような気もするが……まぁ野暮なツッコミですな。
- 「……あれ、ひとつだけだから」
「ん? 売店にたくさん売ってたろ?」
「……えらんでくれて……かってくれたものだから」
「……はじめてパパが」
ああ……取り戻せるんだ。そう思った。
さすがに磯貝さんのセリフを思い出したりはしなかったか……。そして、『願いが叶う場所 II』きたあああっ! 朋也にとって、願いが叶う場所はここだ! - 「……でも、きょうは……たいせつなものなくしたから……かなしい」
「……パパ」
「うん?」
「……あのね……」
「うん」
「……もう、ね、がまんしなくていい?」
「……さなえさんがいってた。ないていいのは……おトイレか……パパのむねのなかだって……」
汐は朋也の胸に飛び込んだ。
そして、泣いた。大きな声で。
朋也は汐をそっと抱きしめる。朋也にしか守れないものが、そこにあった。と、この辺のモノローグは今回の最後に集結していていい感じ。
初めて聴いた時も『願いが叶う場所』だと思って油断してて一気にダムを決壊させられたけど、やっぱり何度聴いてもグッとくる。曲のタイミングもバッチリで画面が見えない。花粉症だからねっ。 - 帰路の電車内。原作と違って日が変わっていないな。描写はないけど、もしかしたら動物園にも行ったのかもしれない。史乃さんとの別れのやり取りがカットされたのが残念だが、そこのモノローグも今回の最後に補完。
- 「なぁ……汐」
「……ん?」
「ママの話、聞きたいか」
「……うん」
朋也の渚追憶……は大幅カット。無念。 - 「ママはな、いつだって泣いてるような奴だった」
「最初会った時もさ、自信がなくて、弱くて……学校の坂の下で突っ立ってたな」
「その坂の下で、なんて言ったと思う?」
「目つぶって、あんパンっ、だって」
「それがママの癖だったんだ。食べたいものを声に出して、それで勇気を奮い立たせる……」
アニメだと癖の回数も少ないし、「トンカツっ」とか言った時、渚が自分で説明しちゃったから感慨が湧かないなぁ。あと、ここで渚の部屋……しかもだんご大家族のぬいぐるみ付きを、なぜ映してしまうんだあああっ。その場所はたぶん次回に朋也が勇気を持って立つのだから、映さないほうがいいのではないだろうか。 - ぼろぼろと目から涙が零れていた。
どうにも止めることができない。
拭いても拭いても、流れ落ちてくる。
笑いながらも、俺は泣き続けた。
ずっと、泣いてなかったのに……。夢中で生きてきたはずなのに……。
ああ……もう俺は受け入れてしまったんだ……。
あの日から五年が過ぎて……そして今、俺の隣には渚がいない。
その現実を。
これだけのモノローグを表情と追憶描写で表現。渚の手が離れて床に下ろされたシーンを入れたことで、朋也が渚の死を受け入れたのが伝わってくる。……が、できれば下四行は言ってほしいモノローグではあった。泣きたくても泣けない……のセリフにも繋がるし。 - 泣きじゃくる汐の頭を撫でる朋也。そして朋也は、また語り始める。渚とふたりで歩いた長い、長い道の話を。朋也が大好きだった人の話を。汐の母の話を。
- 渚……見つけたよ。
やっと見つけたんだ。
俺にしか守れない、かけがえのないもの。
それは、ここにあった。
ぐおおっ! 汐の笑顔と渚の笑顔がグッとくる。最高だ!
- 総括
-
汐ぉぉぉぉーーーーっ!
てなわけで、今回も最高でした。『願いが叶う場所 II』のタイミングを変えてきたのは結構面白かった。
そしてなんと! 第1回で予想した位置とは違ったけど、エンディングに史乃さんが追加っ! オープニングがいつまで経っても古河渚名義だから変える気ないのかと諦めてたので、これは嬉しすぎる誤算だ。次回で直幸、その次で風子、その次で原田が追加か。……え? 最後はありえないって?
でも風子は次々回よりも最終回で追加されたほうが個人的にはいいな。以下、私的エピローグ風子追加妄想。
『小さなてのひら』後、エピローグ。風子が木の下に駆け出して、最後の公子さんのセリフ後に『TORCH』
風子はエンディングの最初からその場で駆け足していて、それをいつものように全員が左から右へと流れていく。要するに風子が皆を走って追い抜くのを逆回しで映している。
そして、一番前を歩いていた朋也と渚の前には汐がスキップしていて、皆を追い抜いた風子が汐と手を繋いで、願いの叶った場所である木の下へ辿り着いて『TORCH』終了。
最後に「楽しいことは……これからはじまりますよ」でCLANNAD終わりっ!
喜びのあまり妄想を垂れ流してしまいました。絶対実現しそうにないけどね。終わり良ければすべて良し!とはいかないけど、最後の演出には期待してるぜ!
りえちゃんに和んで、風子追加を脳内で垂れ流しつつ、また次回! 次回も最高の直幸ポイント。楽しみだっ。
○第18回データ
- 登場人物
-
- 岡崎朋也
- 岡崎汐
- 岡崎史乃
- 幻想世界の少女
- 幻想世界のガラクタ人形
- 母親
- 子供
- 乗客
- 岡崎直幸
- 岡崎渚
- 使用曲
-
- 幻想 II
- 時を刻む唄 -TV Animation Ver.-
- 汐
- カントリートレイン
- 東風 -piano-
- 光りあふれる揺りかごの中で(原曲:町,時の流れ,人) 「MABINOGI CLANNAD arrange album」収録
- 夏時間
- 遙かな年月 -piano-
- 潮波の音(効果音) 「nami.wav」
- 町,時の流れ,人
- 遙かな年月
- 願いが叶う場所 II
- TORCH -TV Animation Ver.-
- 時を刻む唄 -off Vocal Ver.-
日付 | 選択肢 | 備考 |
---|---|---|
幻想世界 X | ||
汐 |